ハワイの11月から5月までは、ザトウクジラがはるばるアラスカの海からやってきている季節です。
ザトウクジラについて
ザトウクジラは、大きなものでは体長20メートルにもなるとても大きなクジラで、ブリーチングとよばれる大きなジャンプをすることで知られています。
ハワイにやってくるザトウクジラの個体群は、冬を暖かいハワイの海で過ごし、ここでペアになって、子どもを産んで、春になると親子で北の海へと帰っていきます。季節感があまりないハワイですが、ザトウクジラは冬の風物詩の一つとなっています。
ハワイにやってくるザトウクジラの数は10,000〜15,000頭といわれ、その数は北太平洋に生息するザトウクジラの個体群の約2/3になると推測されています。
ハワイが故郷
ハワイの観光客の多くは、ザトウクジラはアラスカからやってくるビジター(訪問者)だとなんとなく思っているようです。
でも、ザトウクジラはハワイで出産するわけですから、きっと親クジラたちも多くはハワイで生まれたということになります。だから彼らは、ハワイを訪れているというよりは、里帰りしているとみるのが正しいのではないかと思います!
ハワイ語ではザトウクジラのことをコホラー(koholā)といいます。古くからハワイ人にとっても親しまれていた動物だったそうで、古代のペトログリフにも鯨の絵が残っているそうです。
ホエールウォッチング
そんなザトウクジラを、船に乗って近くでみようというホエールウォッチングのクルーズツアーはとても人気がある観光アクティビティで、毎年およそ2000万ドル(1ドル=100円で計算すると20億円)もの利益を生む大きな市場になっています。
人気ツアーの多くがお昼時のツアーで、ビュッフェスタイルのランチやハワイアンカクテルなどを楽しみながらクジラを観ることができます。
運がよければ雄大なクジラのジャンプを間近でみられることもあります。
クルージングツアーは例年90%以上の確立でクジラに会うことができるそうです。私はこれまで3度ホエールウォッチングに行きましたが、クジラに会えなかったことは一度もありません!
1月〜3月はもっともクジラの数が多く、ツアーもピークを迎えます。ツアーは4月の上旬頃までやっています。
岸からでもみることができる
クルーズツアーに行かなくても、岸からクジラをみることができます。私も先日オアフ島東部にあるマカプウ展望台で、ザトウクジラをたくさんみることができました。
その日は日曜日でしたので、地元の人たちもたくさんクジラを見に来ていました。椅子を持ち込んでじっくり腰を据えて望遠鏡でクジラを眺め続ける老夫婦などをみていて、自然を慈しむ姿勢や、ゆっくり時間が流れる生活が、いかにもハワイらしくていいなと思いました。