世界一甘い玉ねぎ?
ハワイの農作物といえば、パイナップルやコーヒーなどがよく知られていると思いますが、実は玉ねぎもハワイで重要な作物のひとつです。
特にマウイ島のハレアカラ山麓にあるクラという地域で作られる玉ねぎは「マウイオニオン」と呼ばれていて、ハワイではとても人気があります。ハレアカラ山麓の気候や火山活動によってできたこの地域の赤土がスイートオニオンの栽培に適しているそうです。
マウイオニオンは、甘たまねぎ(スイートオニオン)の一種で、普通の玉ねぎと比べると少し小ぶりです。外側の色はやや黄色味を帯びていて、上下から潰されたような平べったい形をしているものも少なくありません。
一番の特徴はその甘さで、マウイオニオンが世界で一番甘い玉ねぎだという人もいます。生で食べても辛味が少なく、まるで果物のように瑞々しくて甘みがあります。
どんな種類の玉ねぎでも火を通せば大体甘くなりますよね。だからせっかくのマウイオニオンは生でいただくのがベストです!
ハワイではとてもポピュラー
例えばポケと呼ばれる、マグロなどを生のままサイコロ状に切ったものに調味料で味付けして海藻などと和えたハワイ料理には、よく生玉ねぎも一緒に和えられます。このポケにはマウイオニオンが一番合うとされています。
マウイ島の家族が、オアフ島の親戚の家に遊びに行くなんていう場合は、マウイオニオンをお土産に持っていくのが定番だそうで、もらうほうも大喜びといった具合です。マウイオニオンを使った料理だけを載せたレシピ本も発売されているくらい人気があります。
旬は春
日本の新玉ねぎと同じように春が旬で、4月から6月くらいまでにもっとも多く出荷されます。
値段は高い
一種のブランド野菜のようなものなので、値段は少し高めです。先日ホノルル市内のスーパーで調べてみたところ、1ポンド(約450グラム)で4ドルでした。普通の玉ねぎの2~3倍の値段です。
高級食材なので、レストランで材料にマウイオニオンを使っている場合は、きっとメニューの説明のところに誇らしげにそのことが書いてあるでしょう。ホノルルのスーパーでも売られていますが、他の玉ねぎとは区別して置かれています。
マウイオニオン・フェスティバル
毎年5月には、マウイ島のカアナパリという町でマウイオニオン・フェスティバルというお祭りが開かれます。有名シェフたちによるマウイオニオンを使った料理が楽しめたり、マウイオニオンの早食い競争が開かれたりします。