オアフ島の西側の南と北を遮るコオラウ山脈のなかで唯一の切れ目といっていい谷間に、ヌウアヌ・パリ展望台(Nu‘uanu Pali Lookout)があります。展望台からは島の北東海岸の素晴らしい景色を望むことができます。
風の谷
展望台は山脈の切れ目の谷を見おろす場所にあり、北東からの貿易風の通り道になっているため、いつも谷の下から強い風が吹き上げます。綺麗な景色に見とれて油断していると、帽子などが吹き飛ばされてしまうこともあるので注意が必要です。
カメハメハ1世の戦いの舞台
ヌウアヌ・パリは、1795年の『ヌウアヌの戦い』の舞台でもあります。カメハメハ1世がハワイ統一を遂げるための鍵となった大きな戦でした。
当時、モロカイ島とマウイ島を征服したカメハメハは、いよいよオアフ島を征服するために一万人もの兵を率いて上陸しました。オアフ軍は徐々にこのヌウアヌ・パリの谷に追い込まれ、現在の展望台があるあたりの崖の上から多くの兵士が谷に落ちて命を落としました。
ホラースポット?
その後、谷にはパリ・ハイウェイという道路ができましたが、その道路の建設時に、崖下で800体もの当時の戦士たちの骨が見つかったそうです。谷には現在でもたくさんの骨が埋まっていると思われますが、それだけに、この場所はホラースポットとして地元では有名です。
「夜中になると兵士たちが松明を掲げて行進する」
「美しい女性の姿をしたトカゲ女が住んでいて男性の旅人を崖におびき寄せて落としてしまう」
「谷を車で通るときに不思議と車が止まってしまう」
など、いろんな噂話があります。そんなちょっと怖い話もあるヌウアヌ・パリですが、オアフで最も景色の良い場所の一つとして、多くの観光客が訪れます。