伝説の小人族
メネフネ(Menehune)は、ハワイの伝説に出てくる小人族です。ハワイの有名なミネラルウォーター会社やコーヒー会社の企業名やロゴマークになったりもしているので、少なくともメネフネという名前自体は、ハワイでは広く認知されています。
ハワイの伝承によると、メネフネは大昔のハワイの森深くに住んでいた人々で、身長は約60センチほどだったといわれています。とても力が強くて、土木や建築の技術が非常に優れていたそうです。夜になると働きはじめ、道路や、お寺や、魚の養殖池などをたった一晩で作ったという伝説があります。もし一晩でつくることに失敗した場合は、未完成のまま、完成させることはなかったそうです。
メネフネの痕跡
現在でもハワイの各地に、メネフネによって作られたと言い伝えられている水路や池が残っています。
例えばカウアイ島に『メネフネ・フィッシュポンド(Menehune Fishpond)』と呼ばれる大きな養殖池がありますが、この池はメネフネたちによってやはり一晩で掘られたと伝えられています。考古学者の調べによると1000年以上前に作られたと推測されていて、現在は、国の史跡に指定されています。
同じくカウアイ島のワイメア・リバーという川にある『メネフネ・ディッチ(Menehune Ditch)』と呼ばれる灌漑用水路もメネフネによって作られたと伝えられています。
メネフネの正体は謎
メネフネは、踊りや歌が好きで、またバナナと魚が好物だったそうです。またとてもシャイで、人間の前には滅多に姿を現さなかったそうです。そんなとても具体的な話まで伝わっている小人族・メネフネですが、その正体は謎に包まれていて、ハワイ人の祖先が最初にハワイにやってきて定住する前に、すでにハワイに住んでいた民族であると一般的には考えられています。なかには、メネフネは今でもハワイの森の奥深くに住んでいると信じている人もいます。