カリフォルニア在住の日本人の友人と電話で話し、色々と近況を伝え合う機会がありました。彼女はアメリカ人と結婚してグリーンカードを取得し、二人の子供を育て中のママです。
いろんな話をしましたが、特に興味深かったのが「日本育ちの日本人女性がアメリカで結婚するなら日本育ちでアメリカに10年以上住んでいる日本人男性が最強」という彼女の持論でした。これは彼女だけの説ではなく、彼女の周りの日本人にも同じ意見の人が何人かいるとのことでした。もちろん、日本を出てアメリカに住んでいるくらいなので、結婚するなら日本人よりも断然アメリカ人のほうがいいという人のほうが多数派ではあります。
「アメリカに10年以上住んでいる」という条件は、具体的には若いときから大学進学などでアメリカに来ていて、卒業後そのままアメリカで就職するなり起業するなりして今に至るアラサー男子のことを指すようです。
理由その1:家事・育児を一緒にやってくれる
日本では “家庭のことは女性が主に受け持つもの” という風潮が今でもあるのに対して、欧米では “家事も子育ても夫婦で一緒に” という考え方だというのが、ステレオタイプな意見とはいえ、一般的だと思います。最近は日本でも男性が家事育児に参加するようになってきたとはいえ、あくまでも “手伝う” 程度のスタンスですよね。
彼女曰く、若いときからアメリカに長くいる日本人男性は、この欧米の価値観が自然と身についているために、家事や育児を “一緒にやる” のが当たり前だという人が多いそうです。
理由その2:アメリカのマナーやエチケットを熟知している
アメリカには日本と違ったマナーやエチケットがあります。
コーヒーやスープを音を立ててすすったり、飛行機の後方席なのに我先に降りようとしたり、レストランで自分のテーブルの担当ではない店員さんに声をかけて注文しようとしたり、料理が運ばれてきても「Thank you」と言わなかったりなどは、アメリカのマナーを知らない日本人の典型的な例です。
また、建物や乗り物やエレベーターなどでレディーファーストを自然にできる日本人男性はなかなかいません。
彼女曰く、若い時からアメリカに長くいる日本人男性はこの点もクリアしている人が多いのだとか。
理由その3:英語の壁がない
アメリカで生活をしていく上で英語はかなり大事です。でもアメリカで大学を卒業している日本人なら英語は高いレベルで読み・書き・聞きとり・会話のすべてができる人がほとんどなので、心配いらないそうです。
理由その4:アメリカで生きていくために必要な自信&自己主張と、日本人特有のシャイや礼儀正しさをバランスよく兼ね備えている
アメリカ社会は良くも悪くも「言ったもん勝ち」の社会です。
例を挙げればキリがありませんが、例えばソーシャルセキュリティーカードを取得するために然るべき手順を経て州のオフィスに行ったときに「この書類では発行できません。再申請してください」と窓口でにべもなく言われたとします。でもそこで然るべき書類やウェブサイトを見せて「そんなはずはありません。ここにこう書いてあります。もう一度しっかり調べてください」と理路整然と言えばあっさり覆るなんてことがほんとうによくあります。そのときの態度がもし激昂していたり、たどたどしい英語だったら、きっと覆らないででしょう。
アメリカでは、私生活でも仕事でも、とにかく自分に自信を持って主張しないと生きていけません。逆にいえば、きちんと正しく自己主張していれば自然と周りから認められていく社会です。その必要な自己主張と、日本人の美徳とされるいい意味で控えめな性格や、礼儀正しさ、調和を重んじることへの理解を持っている男性は、確かに結婚するには最強なのかもしれませんね。
理由その5:経済的に余裕がある人が多い
以上のことをクリアしている男性は、きっと有能なので出世していきます。ビジネスを自分でやる場合も成功する確率が高い。つまり経済的にも余裕がある暮らしができる確率が高いというのが、彼女の論です。
理由その6:本当に大事なことを母国語で深く話し合える
以上のことをクリアしているのなら、できることなら日本人同士で結婚した方がやっぱりいいよね? というのが結論だそうです。その一番の理由は、なんといってもお互いに母国語同士で意思疎通ができるからです。
夫婦で暮らしていくなかで、育児のこと、家族や親戚のこと、健康のこと、仕事のこと、お金のこと、将来のことなど、大事な話をしないといけない場面はもちろん多々あるので、そのときにお互いが母国語で話すことができるほうが当然理解が深まりますよね。
旦那さんがアメリカ育ちならまだしも、もし英語が母国語ではない場合はお互い第二外国語である英語でしゃべることになります。お互いの英語のレベルにもよりますが、自分の伝えたいことへの深い理解を相手に求めるのは難しい場合が多く、どちらかが「もういいや」と諦める場合が多いのではないでしょうか。母国語でも難しい場合が多いのに、外国語でとなるとなおさらですよね。
理由その7:子供が日英のバイリンガルになってくれる
彼女の知るかぎり、アメリカに住んでいて母親のみが日本人の場合は、子供が完全なバイリンガルになる可能性はあまり高くありません。私も外国人と結婚したハワイ在住友人たちの子供たちを見ていてそう思います。母国語は英語になり、日本語は少し話せる程度で、読み書きはあまりできない場合が多いです。もちろん教育の仕方にもよります。
理由その8:日本人同士だからわかるこころからの “笑い” が家庭にある
「笑う門には福来る」というように、「笑い」って生活の中でとても大事ですよね。志村けんさんのいくつかのコントやくまだまさしさんの芸のように言葉がいらない笑いもありますが、多くのユーモアや笑いのツボは、言葉の意味がわかれば面白いわけではなく、その国の社会のことを知っていないとわからなかったり、その国で生まれ育っていないとなかなかわからないものです。日本で生まれ育ったある世代だけに「あるある!」とそのユーモアのおかしみが伝わることだってあります。
日本語がわからない人がM-1グランプリを字幕付きで見ても、きっと涙が出るほど大笑いすることにはならないですよね。言葉の意味は分かっても「なんでそれがそんなに面白いの?」となる。
エンターテイメントだけでなく、家庭の会話の中でも、日本人同士だから共有できるこころからの “笑い” が毎日の家庭にあることは、いいことですよね。彼女がこの持論を推す最大の理由がこの点だそうです。
もちろん、夫婦円満であることが前提ですが……。
愛は言葉の垣根を超えるのも事実
もちろん、愛は言葉の垣根を超えます。言葉の垣根を超えて幸せに暮らしている夫婦を私は何人も知っていますので、やっぱり人によるとは思うのですが、以上はあくまで彼女の持論です。
仲のいい友人の「日本人女性がアメリカで結婚するならアメリカに10年以上住んでいる日本人男性が最強説」とその理由を聞いて「うーん、なるほど・・・」と色々考えさせられたので、紹介させてもらいました。